このレクチャーでは、土地(宅地)の評価について学習します。
このレクチャーの全体図
宅地
宅地とは建物の敷地として用いられる土地のことを指します。宅地は一画地(いっかくち)ごとに評価します。
一画地
不動産を登記する際の土地の単位は「筆」で、原則的には一筆を一画地とします。しかし、中には隣接する2筆以上の土地にまたがって住宅が建てられ、一体化している場合があります。そのときは、それらの土地を一画地として評価することになります。
下図のように、1番地・2番地があり、住宅がまたがって建てられている場合は、この2つの土地をまとめて一画地として評価します。
https://www.kkr.mlit.go.jp/land/tochihyouka.html
宅地の評価方法
宅地の評価方法には路線価方式と倍率方式があり、どちらを使うかは国税庁が定めています。
路線価方式
市街地にある宅地の評価方法になります。市街地のように建物がある程度密集しているような場所で、宅地の売買が多く行われているような場所であれば、おおよその土地の価値が客観的に測れます。
路線価方式の計算方法については、詳しくは次のレクチャーで学習するのですが、一度、国税庁のホームページから、新宿歌舞伎町の路線価がどのように付けられているのかを確認してみたいと思います。
https://www.rosenka.nta.go.jp/main_r04/tokyo/tokyo/prices/html/22035f.htm
路線価が記載された地図を確認すると、道路上に「9,600A」や「850A」というような数字が並んでいます。これが路線価で、宅地に面する道路ごとの路線価に基づいて、評価額を計算することになります。
数字の部分は1㎡あたりの価額で、単位は「千円」になります。ですので、「9,600A」の場合は1㎡あたり「9,600,000円(960万円)」、「850A」の場合は1㎡あたり「850,000円(85万円)」となります。同じ新宿歌舞伎町という街なのですが、大きな道路に面しているか、人通りが多いかどうかなどで評価が大きく変わってきます。
「A」や「B」といったアルファベットの部分は借地権割合になります。土地の所有権だけではなく、"借りる権利"も相続税の財産とみなされます。「A」は借地権割合90%という意味で、特に商業地域でかつ人通りの多い場所は価値が高いとみなされ、土地を借りる権利の評価が大きくなります。例えば、1億円の価値のある土地の借地権割合が「A」だった場合、土地の所有者の財産価値は1,000万円(1億×(1-90%))と評価され、土地を借りている方の財産価値は9,000万円(1億×90%)と評価されます。詳しくは、次のレクチャーで詳しく解説します。
上記で説明した通り、路線価の数値は1㎡あたりの価額になります。1㎡あたりの価額に土地の面積を掛けて、土地の評価額を算出します。
路線価は、国税局長が毎年1月1日を評価時点として定めます。つまり、毎年評価が更新されることになります。(* 固定資産税評価額は3年に1度の評価替えになります。路線価と区別して覚えましょう。)
倍率方式
路線価が定められていない郊外や農村などにある宅地の評価方法になります。
評価額は、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて計算します。倍率は場所によって変わってくるので、国税庁のホームページなどでで調べる必要があります。宅地の場合は、『1.1倍』や『1.5倍』のように書かれています。
まとめ
今回は、土地(宅地)の評価について学習しました。
路線価方式の計算方法については次のレクチャーで詳しく説明しますので、それ以外の項目について(一画地の定義や、路線価の評価替えの頻度など)、しっかり覚えましょう。